旭山動物園でみた"森の人",オランウータン.
高いところにはられたロープをひょいひょいと得意そうにわたる姿は愛らしかったが,今彼らは絶滅の危機に瀕しているという.その理由は,彼らの故郷であるボルネオ島の原生林は伐採されまくっており,代わりにアブラヤシの農園をどんどんつくっているから.そして森林を失って迷い込んでくるオランウータンたちは,農園に関わる人たちにとって害獣となっている.アブラヤシを植えているのは『ちきゅうにやさしい』天然素材のヤシ油をつくるためなのに.皮肉なことだ.
そんなわけで,多くの日本人が恩恵を受けているボルネオの森林に対して還元するために,旭山動物園では,「ボルネオへの恩返しプロジェクト」なるものをやっているそうだ.
高いところにはられたロープをひょいひょいと得意そうにわたる姿は愛らしかったが,今彼らは絶滅の危機に瀕しているという.その理由は,彼らの故郷であるボルネオ島の原生林は伐採されまくっており,代わりにアブラヤシの農園をどんどんつくっているから.そして森林を失って迷い込んでくるオランウータンたちは,農園に関わる人たちにとって害獣となっている.アブラヤシを植えているのは『ちきゅうにやさしい』天然素材のヤシ油をつくるためなのに.皮肉なことだ.
そんなわけで,多くの日本人が恩恵を受けているボルネオの森林に対して還元するために,旭山動物園では,「ボルネオへの恩返しプロジェクト」なるものをやっているそうだ.
2月の下旬のある日,北海道の旭山動物園に行ってきた.旭山動物園は年間300万人以上の訪問者があるという人気の動物園で,大変面白い展示の仕方で知られている.ブームになってかなり経つし,「ようやく今頃」なのではあるが,実際に足を運んでみて,確かにわざわざ北海道の外からも訪れるだけの価値のある場所だということがよくわかった.
これはもはや従来の動物園というカテゴリでは収まらないのでないか.有名な"あざらし館"や"ぺんぎん館"などのユニークな展示施設だけではない.園内の隅々まで温かい工夫が凝らされ,動物たちと人間の関係,そして生命が循環する生態系についての真摯なメッセージが訴えられており,僕もいっぺんにファンになってしまった.
中編では,旭山動物園の様子を紹介してみる.
これはもはや従来の動物園というカテゴリでは収まらないのでないか.有名な"あざらし館"や"ぺんぎん館"などのユニークな展示施設だけではない.園内の隅々まで温かい工夫が凝らされ,動物たちと人間の関係,そして生命が循環する生態系についての真摯なメッセージが訴えられており,僕もいっぺんにファンになってしまった.
中編では,旭山動物園の様子を紹介してみる.
柔道に「空気投げ」という秘技があるそうだ.よくマンガや小説の題材にもなったりするのでご存じの方も多いと思うが,その技を使える人はほとんどいないらしく,実際に見ることは難しい.でも,この技を編み出した伝説の柔術家,三船久三十段の映像資料が残っており,YouTubeにアップされているので,誰でも(映像で)見ることが出来る.
この空気投げの映像,素人目で見ても何がすごいのかはよく理解できないが,軽々と舞う三船十段と組んでいる相手はいとも簡単にポンと投げられているのがわかる.よく見ると相手の柔道衣を掴んだ手以外は相手に触れていない.足も腰も使わないのに相手はつんのめったようにくずされている.こんな風に,まるで空気に投げられたような不思議な決まり方をすることから,この技の名がある,という.
三船十段の言葉によると,この技の原理は「相手が動に転じた瞬間、重心を下げて相手を投げる」とのことで.攻撃を瞬間的に感じ取り、その力を転化させ自分で転ぶように導く,という高度な判断で成されているようだ.
もともと,柔道自体が相手の力を利用して相手を制し,小さな者でも大きな者を倒すことができる"柔よく剛を制す"という基本理念を持つ武道であるが,この技はその考え方が名人技まで高められた美しさを持っているように思われる.
さて,ここで唐突に柔道のことを取り上げたのは,格闘技に限らず,デザインにおいても,この相手の力を最大限に利用する,ということの大事さをここのところずっと考えているからである.
デザインという営為は,そもそも問題対象と使う人の"関係"によって成り立つものだろう.多くの場合,利用される現場での様々な制約が発想の源になるように,それ単体で何かの最適解が存在するわけではない. 逆に言えば,デザイナーがどんなに思い込みで力をいれようが,実際の場における関係を掴んでいないと空回りするばかりである.
力任せにふんばるばかりでは相手は投げられないし,そんなことを繰り返しても疲れて動きもとまってしまう.自分と相手の関係(横軸),連続しつつ切り替わるフェーズとの関係(縦軸)などの力をそれぞれバラバラのものとして考えず.適切に力を借りるタイミング,力を入れるタイミングを読むことを心掛けたいものだ.
ところで,ある人が指摘するところによると,先の映像の三船十段は,組んでいる最中にふわりと飛びながらも絶妙に下向きの力を相手にかけているのだという...恐るべし.
人間の体というのは、外から力が働いてきたときには、関連する骨の周囲にある筋肉を緊張させることで骨を補強するという自己防衛システムが備わっている。 この場合も、下向きの力をかけられることで、胴体周囲や、両足の骨の周囲の筋肉が、意識しないうちに緊張する。この骨を固めるという緊張を強いられた結果 として、「空気投げ」に対応するための微妙な動きが充分できず、ぎこちない動きになって倒されてしまうというのだ。(「武道の達人」保江邦夫)
「不安定な姿勢に導かれた相手は、支えをはずされたとたん、つんのめって倒れてしまう」という「空気投げ」の基本に加えて、足運びを乱すための準備として、三船十段はこんな「隠し技」を使っていたんだ!空気投げ(その2)-Fight Club
結果(技がきまる瞬間)だけではなく,こういう前後関係も技に含まれるわけで,それを考えれば身体システムの関わり合いの複雑さを思い知る.
大事なことは動きのシステムの中にある.全部デザインに置き換えるつもりはないが,問題の仕組みをよく理解した上でそれを絶妙につかった方略を知るとき,なんだかそれは他の問題に対しても示唆に富むように思えるのである.
そしてこの動画をみながら,そんなことを考えていたところ,かの「旭山動物園」も同様な位置づけにあるんじゃないかと思いあたった.
スターとなる動物はいなくても,面白い見せ方の工夫で驚異的な人気を得た動物園だ.有名になって随分経つけど.恥ずかしながら実際に行ったことはなかったので,いい機会とばかりに行ってみることにした.
(つづく)
直前になって申し訳ありませんが、18日に担当している2年生の演習発表会を行いますのでご案内いたします。3つのクラス(再履修クラス含む)の合同発表会で、上平クラスでは、このブログで最近数ヶ月演習プロセスを連載していた「TaikenMarker」の成果物を出展いたします。現在学生達はテストの合間を縫いつつ、完成に向けて追い込み中です。学内外問わずどなたでもご覧頂けますので、短い時間で恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
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コンテンツデザインコース展
専修大学ネットワーク情報学部
2009年度 コンテンツデザイン総合演習 最終成果発表会
◎日時=2010年1月18日(月)13:05〜17:00
◎場所=専修大学生田キャンパス 10号館4Fホワイエ
◎出展者=コンテンツデザインコース2年生
◎形式=作品とパネルによるインタラクティブプレゼンテーション。
発表時間に随時プレゼン致します。 (入退場自由)
公式ウェブサイト
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こちらは上平クラスの演習サイトです。
Flow&Stock,TaikenMarker
ビジュアルは手抜きですが、制作プロセスのコンテンツを充実させましたのでご覧下さい。準備中のところは後日作成予定です。
コンテンツデザイン総合演習は、カリキュラム改訂により本年度で終わり。
来年度からプログラム制にかわり、演習チーフは栗芝先生にバトンタッチします。

あけましておめでとうございます。
2010年は、もう少し自分の仕事を深めることと、集中力を上げることを目指したいと思います。
このkamihira_logも、もう6年目。最近はもっぱらTwitter(@peru_g13)で、ここは時々書いているぐらいですが、たまに頂くフィードバックが続けるエネルギーになっております。
写真は自宅の窓から見える富士山。今日は快晴です。
2010年は、もう少し自分の仕事を深めることと、集中力を上げることを目指したいと思います。
このkamihira_logも、もう6年目。最近はもっぱらTwitter(@peru_g13)で、ここは時々書いているぐらいですが、たまに頂くフィードバックが続けるエネルギーになっております。
写真は自宅の窓から見える富士山。今日は快晴です。
2010 元旦
12月21日は、今年最後の演習。これまで進めてきた企画のプレ発表として、アクティングアウトによる評価を行った。発表は背景やコンセプトなどの言葉の説明を省いて行うので、その中で必然性を持たせるためには、話の流れの中にきっかけ/欲求/ゴールといった利用文脈と、そこから設計した画面との詳細な対話が描かれてなければならない。そしてそれらがトータルなユーザ経験として成り立っていることが求められる。
アクティングアウトという手法の詳細は浅野先生がまとめて下さってます。
情報デザイン研究室:アクティングアウト考その1,その2,その3,その4
学生達は演じることに対してはそんなに抵抗がないようで、この手法では拙くも一生懸命な演技を楽しみながら評価することができるのがいい。
しかし考えてみれば、これを行うためには、登場人物(ペルソナ)の設定を行い、一つのサービスがあるという"仮定"を取り巻く出来事を描くわけである。しかも手短に。想像力と説得力の両立という点ではSF映画のプロットにも近い高度なストーリーテリングとも言える。
アクティングアウトという手法の詳細は浅野先生がまとめて下さってます。
情報デザイン研究室:アクティングアウト考その1,その2,その3,その4
学生達は演じることに対してはそんなに抵抗がないようで、この手法では拙くも一生懸命な演技を楽しみながら評価することができるのがいい。
しかし考えてみれば、これを行うためには、登場人物(ペルソナ)の設定を行い、一つのサービスがあるという"仮定"を取り巻く出来事を描くわけである。しかも手短に。想像力と説得力の両立という点ではSF映画のプロットにも近い高度なストーリーテリングとも言える。
12月14日の演習。3年生のプロジェクト発表会も終わり、いよいよ冬も深まってきた。この日は、前週に課したガントチャートの確認から開始。
ガントチャートは、プロジェクト管理で使われる、作業計画を横型の棒グラフで示した工程管理図のこと。通常、縦軸に作業内容(タスク、アクティビティ)を、横軸に期間を取り、各作業/資源の所要期間を視覚的に示す。
ガントチャートは、プロジェクト管理で使われる、作業計画を横型の棒グラフで示した工程管理図のこと。通常、縦軸に作業内容(タスク、アクティビティ)を、横軸に期間を取り、各作業/資源の所要期間を視覚的に示す。

サボっててすみません。師走に入って忙殺されている間に記憶が飛びつつあるが(汗)、演習プロセスの連載第9回目。12月7日の2年生の演習は、ペーパプロトタイピングによる画面UI検討。
先週の時点ではなかなか修正案の議論がまとまらず、なかなか制作に移れないチームも多かった。しかし本当はむしろそういう時にこそ手を動かし、作りながら考える必要がある。作らないからこそ議論は空中化しがちなのだ。ペーパープロトタイピングはそんな状況を打開し、発想を生みやすくする方法でもある。
先週、「来週までにはver.1を必ず作って持ってくること」と課題にした結果、この日には全チームきっちりと作ってきた。
先週の時点ではなかなか修正案の議論がまとまらず、なかなか制作に移れないチームも多かった。しかし本当はむしろそういう時にこそ手を動かし、作りながら考える必要がある。作らないからこそ議論は空中化しがちなのだ。ペーパープロトタイピングはそんな状況を打開し、発想を生みやすくする方法でもある。
先週、「来週までにはver.1を必ず作って持ってくること」と課題にした結果、この日には全チームきっちりと作ってきた。
先日、とある人と酒を飲んでいるときに、 NetBook(mini ノートPC)の話になった。売れているのか分からないけど、家電量販店の店頭に行けば大量に展示されているあれだ。
「あれは一体、誰が使っているんでしょうねぇ」
「それがね、学生らは普通に使ってるんですよ」
というやりとりをしたのだが、その写真をアップしてみる。僕が担当している3年生のある日の作業風景。
めいめい自分のノートPCで作業しつつ、進めているプロジェクトの議論をしているところ。"端末室ではないのに全員端末機の前にいる"という、情報系ではお馴染みの様子だけど、社会人だと使っているノートPCがLet's noteやvaioやdynabookだったりするところが、ここではみんなasusとかmsiとかacerとかmous computerとか、とにかく多様。
最近のNetbookはだいぶスペックも上がり、大学の学習程度には支障なく使えるようになっているようで、みんな手馴れた様子で小さい画面で器用にプログラム書いたり、文章まとめたりして使っている。必要に応じていつでもどこでも開ける手軽な道具としてあたりまえのものであって、それ以上でもそれ以下でもないということなのだろう。昔は憧れのブランドにこだわったりしたものだけどね。
ここに10個ぐらい並んでいるのが、ほとんど国産ブランドじゃないというのが、なんだか世相を表しているような。
「あれは一体、誰が使っているんでしょうねぇ」
「それがね、学生らは普通に使ってるんですよ」
というやりとりをしたのだが、その写真をアップしてみる。僕が担当している3年生のある日の作業風景。
めいめい自分のノートPCで作業しつつ、進めているプロジェクトの議論をしているところ。"端末室ではないのに全員端末機の前にいる"という、情報系ではお馴染みの様子だけど、社会人だと使っているノートPCがLet's noteやvaioやdynabookだったりするところが、ここではみんなasusとかmsiとかacerとかmous computerとか、とにかく多様。
最近のNetbookはだいぶスペックも上がり、大学の学習程度には支障なく使えるようになっているようで、みんな手馴れた様子で小さい画面で器用にプログラム書いたり、文章まとめたりして使っている。必要に応じていつでもどこでも開ける手軽な道具としてあたりまえのものであって、それ以上でもそれ以下でもないということなのだろう。昔は憧れのブランドにこだわったりしたものだけどね。
ここに10個ぐらい並んでいるのが、ほとんど国産ブランドじゃないというのが、なんだか世相を表しているような。

直前の告知で申し訳ありませんが、12月12日に、3年生のプロジェクト演習の発表会を行いますのでご案内します。
今年は例年以上に学生提案の企画が多く、彼らのプロジェクトは指導をお願いする教員を見つけて口説き落とすところから始まってますが、一年が経過し、発表できるものがみえてきたようです。
今年も熱い成果物が出そろいそうですので、ブログを御覧の皆様、ご来場どうぞよろしくお願いいたします。
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PROJECT2009 EXHIBITION
専修大学ネットワーク情報学部プロジェクト発表会
■日時:2009年12月12日(土)10:30〜16:00
■場所:専修大学生田キャンパス10号館1F アカデミーモール/ゼミ室
(小田急線向ヶ丘遊園駅下車)
■発表会公式ウェブサイト
http://www.ne.senshu-u.ac.jp/project2009/
■上平担当プロジェクト
「遊びにおける発見性に着目したコンテンツ開発」
様々な遊びにおけるユーザ体験の調査・分析から、二つのエンターティンメントコンテンツを制作しました。発表会当日は二つとも実際に動かせて遊んでいただけるはずです。多分。
"シカクル"は、錯視の面白さに着目して開発された、 主体的に図形を探し出すコンテンツです。立方体を回転させたり面を外したりして3次元と2次元を行き来するかたちを次々と探し出します。君の視覚はこの不思議な四角を見破ることができるか!?
"ツクルマ"は、素材の組み立てにおける創造性に着目して開発されたコンテンツです。幼稚園児の遊びの様子の観察からヒントを得て生みだされました。リンゴや消しゴム等を自由にパーツとして車に組み立てることができ、 物理演算で生み出される複雑な挙動を楽しむことができます。自分だけのオリジナルマイカーを作ろう!------------------------------------------------------------
※当ブログで最近演習経過を連載している2年生の演習「TaikenMarker」については、年明けの1月18日(月)
