デザイナーは、寿司屋or 医者?(その1)

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雨が降ると花粉が飛ばないので、今日は体調がいい。
さて、昨日のこと。自宅の本棚を整理しながら色んな本を処分していると、マンガの「将太の寿司」が目に留まった。実はこの漫画、以前気になって寿司のことを調べているときにブックオフで一冊100円で買ったものだ。

数年前、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀で、深沢直人が出演した回(2004年12月17日放映)で、、スタジオの観客との質問コーナーで
「デザイナーを他の仕事に例えると何ですか?」
「寿司屋ですかね。」
というやりとりがあった。深沢自身の解説を聞くと、無駄を省いた様式に加えて、味わうまでの一連の流れのタイミングも含めた見事な比喩で、なるほどねぇ、とうろ覚えながら記憶に引っかかっていたのだが、その後、割と深沢直人がいろんなところで寿司メタファで語っているのを知る。

アイデアは寿司で美しさは醤油のようなものです。人は醤油をつけて寿司を食べますが、その間隔は醤油ではなく寿司の味を味わっている。醤油はアイデアを最 大限に生かすことであって、独自で美しさの存在を誇示しようとするものではない。長い間デザインはこの美しさを誇示することであると誤解されてきた面があ ります。よいアイデアをいかに純粋にデザインするか、これをExecution(できばえ)といいますが、それは単に形や色のことではないのです。
桑沢デザイン塾<プロダクツデザインの21世紀>
思想が深いのは言うまでもないが、日頃の経験の分析が貧しいとこういう比喩は決して出てこない。自分でも何事も経験してみなくちゃな、と思いたってこのころ寿司屋を回ったり調べたりしたのだった。近所の寿司屋では暇そうな職人にカウンターからいろいろ聞きまくった。ある寿司屋のオヤジは、人間と同じようにヒラメにも顔つきがあって、捕れる地方によって微妙に違うんだ、って信じられないような話をいろいろと嬉しそうに語ってくれた。この漫画もそのころに買ったものだ。

パラパラとドッグイヤー(ページの折り返し)をつけたページを見返すと、おお、比喩どうこう以前に、なかなか面白いセリフが書いてあるじゃないか。(←自分で付けておきながら忘れてる奴)捨てる前にメモ。
ほんのわずかな包丁の使い方ひとつで
ここまで味が変わってしまうのだ。

速さと正確さは、包丁を扱う上で
もちろん大事なことには違いない。

しかし、それは包丁の技術の
もっとも根本的なことがあってのことなんだ。

包丁の技術でもっとも肝要なのは
単なる速さや正確さではない。

それは味だ。

その包丁によって
素材の味を存分に引き出すことなのだ


だがひとつだけ
一番大事なことをいっておこう

基本だ 
すべていちばん大事なことは基本なんだ

このことをこの一ヶ月間じっくりと考え
修行に励め

そう、それなんだよ
現状に満足せず
いつも何か工夫を重ねて努力する

どんなに小さいことであっても
その誠意は必ず仕上がった仕事に
あらわれるものなんだ

まぁ、特にデザインに限らず、何にでも共通する仕事の姿勢ではあるのだが、やはりストイックな職人の仕事ぶりは美しい。某雑誌で「マンガに学ぶデザイン」という特集やっていたが、自分としてはこういう話の方が好きだな。ああ学生の頃、コテンパンに打ちのめされ続けた日々を思い出した。F先生元気だろうか。

後半に続く。



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このページは、kamihiraがMarch 20, 2008 11:39 AMに書いたブログ記事です。

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