「体験!情報デザイン」ワークショップ終了御礼
報告が遅くなりましたが、月曜日の午後に開かれた情報教育関係者向けワークショップ「体験!情報デザイン」が無事に終了しました。参加者の皆様、暑い中、生田の山の上までご来場いただきありがとうございました。あちこち粗だらけで泥縄状態の設計でしたが、積極的に課題に参加して頂いたお陰でなんとか進めることが出来たと思います。自分としても先生方を対象にワークショップを行うのは始めての体験で、皆様から頂いたご意見はとても貴重な勉強になりました。さて、マウスの使いすぎで痛めた手首の腱鞘炎も治ってきたので、主催側としてのリフレクションをしておかねば。今回のワークショップは、授業への展開を考えて90分の2本だて。そもそもそのボリューム枠は自分で言い出した事ながら、いざ課題を考えてみると組み立てがどうもしっくりこず、土壇場まで悩み倒してしまった。ネタをゼロから考えるのは、毎度ながら本当に頭を使う・・・。
■1コマ目「紙とハサミから学ぶ情報デザインの基本」
全くの初心者向けの情報デザインへの導入として考えた課題。ある図形を隣に人に言葉で説明して、ハサミで切り抜いてもらう。という伝言ゲーム的なワークを 行った後、そのふりかえりの中から伝え方の仕組みを考えていく。デザインは決して作り手の中だけで完結するわけじゃない。他者が介在した場合、伝達の要素を踏まえてよりよい方法を考えなきゃならないのだ、ということに気付くためのエクササイズである。
どの分野においても導入をどう作るかは非常に大事なところだが、「情報デザインとは」ということを演繹的に話を進めたとしても、抽象的過ぎて結局伝わって ないことが多い。(というか、世間一般でもそもそもそういう言説が確立しているわけでもないし、デザインは言葉だけで理解できるものでもなかったりする) なので、そういう順番ではなく、ごく小さな経験をもとに少しづつ気づきを深めていく、という帰納的に進めていく方がまだ有効なんじゃないか、ということを ここ数年の経験から考え始めた。たとえ小さいことでも自分で経験したことから気付いたことには喜びがあるはずだ。
このネタは8/2の模擬授業内容を考えるために学生のKさんとブレストしている時に思い付いたもの。"デザインも前もって記述しておくという意味においてはプログラムなのであって、ただそれは実行される(エクスペリエンスが走る)のが、人であり、人の側の理(ことわり)がベースになっているのだ"という話を自分でしてて、そのとき持っていたハサミから、他人が「切る」ことに繋げた課題を考案した。
あと、もうひとつの出発点に、同じコースの栗芝先生と常々話し合っていることがあった。「(まだ自我が確立しておらず主観から脱しきれない)学生らは、たぶん、まず"ユーザ"って意味がそもそも分からないみたいだよね」と。使う立場の人は自分とは大分違うということは、頭では知っていてもおそらく自分で自分を点検できるほどの知識にはなってないのだ。 栗芝先生は、(その演習でのユーザ役になる)実際の小学生を大学まで連れてくるという離れ業を編み出したが、そこまで出来なくても、教室内にも人間は一杯居るわけだから、ここだけでコンパクトにやる方法だってあるのではないか、と考えていたことを今回重ね合わせた。簡単なエクササイズだけど、簡単だからこそ気をつけたつもり。
エクササイズをやってシートを作成した後、スクリーンで比べて見ながら、ちょっと笑いが起きたり感心の声が起きたりまでは想定していたけど、今思えば解説が荒かったのが非常に心残りだ。これはやった後の分析と考察の方がずっと大事なんだがな・・。 ちなみに、連日の疲れでもう頭が回ってなかった。
でも、頂いたコメントによると、この方法に共感してくださった方もいらっしゃって、とても励まされた。皆様お自分で教えておられる方なので、僕の解説が甘かったということを割り引いても、僕が狙っている方向にはピンとくるものがあったのかもしれない。「ここから、こういう方向にもっていくといいかも」という 提案してくださる方が多かったのが流石にプロで唸らされるが、指導するポイントによってそういう多様な解釈があるってのは、課題のあり方としてはいいことなんだと思う。
その後、このコマでは、言葉→図への変換を試みるために、簡単な関係を表すダイアグラムを組み立てるエクササイズに繋げたが、これはちょっと欲張りすぎだったと思う。普段の授業なら もうちょっと引っ張るところだけど、先生方相手にそれもないだろうと、その次のステップに相当することまで入れてしまったのがミスだったか。そのまま図形切り抜きの課題をもうちょっと深めたほうがよかった。とりあえず、やった後にその経験を分析して深めていく第二フェーズを設定すればサイクルをもう一回ま わすことができるので、次の機会にはそのシートもつくってみることにする。
イメージは外してないと思うが、問題設定の方もまだまだ考える余地があるので、なんどか試してバージョンアップしていこう。そこまでを一つのエクササイズとして誰でも使えるような教材にすることを目指したい。
■2コマ目「ペーパープロトタイピングを応用した参加型コンテンツ」
これまで僕がやってきたような、学生から集めた情報を元にした参加型コンテンツを変化させ、ペーパープロトタイピングの技術と合体させたワークショップ。1コマ目の方はわりとすぐ決めたのだけど、こちらのネタはかなり悩んだ。その後に似た演習を2コマやるのもどうかと思うし、参加型グラフィックスは学習と してはちょっと特殊すぎる気もする。配布する事例集に過去の例を掲載するってこともあり、ポスターのような大型作品制作は止めることにした。(知り合いも 多く来るので、同じネタを使い回すのは悔しいってこともある)また、情報のデザインでは、従来のものづくりの目では捉えられないような、情報と人間のやり とり(インタラクション)を見るための動的な目を養うことが重要なので、そういったトレーニングになるようなものとしては、ポスターみたいな止まったメディアよりも、やはりペーパープロトの方なのかな、と。
当然、時間内に高度なことを終わらせることは無理なのだけど、出題者側でアウトプットを計算し尽くしたものにしたらワークショップの一番の醍醐味である 「創発」は起こらないだろう。せっかくの一期一会の場なのに、2コマとも運営側の予定調和で終わるのはできれば避けたかった。参加者同士のダイナミズムか ら生まれてくる火花のようなものを、せっかくなら見てみたいという思いがあった。そんなわけで、僕が質問し、全員に書いてもらった経験のシートを素材にしたウェブコンテンツの表現方法をグループ(4人)で考えるという出題に踏み切った。
結果としては、この課題はテーマと技法の双方を欲張ってしまい、短い時間の中では焦点がぼけてしまった感が強い。素材を活かすのならお互いに丁寧に見合う 時間を。技法を学ぶのならもうちょっと構造化しやすいテーマと詳細な指示を。それぞれ絞った設計にすべきだったと思う。実はこのコマでは、手法より先に、 コンテンツになる素材は教室の中だって気付かないけど存在していて、その辺は教員側のディレクション次第で抽出できるし面白くももできて、その切り口を考 える方法次第なのだ、ということを一番の狙いとしていた。前のコマに続き、深化不足を深く反省。やっぱり自分はあれもこれもと足して欲張っちゃうのが悪い ところだ。シンプルにいかなきゃ。
でも、そういう無茶ぶりでも、参加者のエネルギーによってなんとか場は動いていくところがワークショップの凄いところ。40分ほどの制作時間ながら、参加者は熱心に議論して手を動かしながら答えを出していた。ペーパープロトは簡単なものでも実演されると、考えたアイデアにちゃんと命が吹き込まれて生きてく るから、見てる方も面白い。なんとかギリギリでオチが付いた感じだった。
やっている最中はもう疲れ果てていてあまり考えが回ってなかったが、終わってみると、反省点ばかりが残る。次への課題とするか。長くなったので、今回参加特典に配布した事例集のことはまた別途書きます。
参加者の皆様から頂いたアンケートには励まされました。改めて御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。頂いたご意見を元にもうちょっとまともなワークショップができるように精進したいとおもいます。
最後に、今回の運営に協力してくれた卒業生のN君、4年のKさん、Y君、N君、T君、Sさん、Oさん、2年のA川さん、A野さん、お疲れ様でした。君らの協力なしには決してこのワークショップは出来ませんでした。心から感謝します。
参加者の皆様が書かれたブログ記事へのリンク。
丁寧なレポートありがとうございます。
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「学び」とは
#一難過ぎて、また一難。来週にある学会の準備が迫ってきた。うう、夏休みは何処。
全くの初心者向けの情報デザインへの導入として考えた課題。ある図形を隣に人に言葉で説明して、ハサミで切り抜いてもらう。という伝言ゲーム的なワークを 行った後、そのふりかえりの中から伝え方の仕組みを考えていく。デザインは決して作り手の中だけで完結するわけじゃない。他者が介在した場合、伝達の要素を踏まえてよりよい方法を考えなきゃならないのだ、ということに気付くためのエクササイズである。
どの分野においても導入をどう作るかは非常に大事なところだが、「情報デザインとは」ということを演繹的に話を進めたとしても、抽象的過ぎて結局伝わって ないことが多い。(というか、世間一般でもそもそもそういう言説が確立しているわけでもないし、デザインは言葉だけで理解できるものでもなかったりする) なので、そういう順番ではなく、ごく小さな経験をもとに少しづつ気づきを深めていく、という帰納的に進めていく方がまだ有効なんじゃないか、ということを ここ数年の経験から考え始めた。たとえ小さいことでも自分で経験したことから気付いたことには喜びがあるはずだ。
このネタは8/2の模擬授業内容を考えるために学生のKさんとブレストしている時に思い付いたもの。"デザインも前もって記述しておくという意味においてはプログラムなのであって、ただそれは実行される(エクスペリエンスが走る)のが、人であり、人の側の理(ことわり)がベースになっているのだ"という話を自分でしてて、そのとき持っていたハサミから、他人が「切る」ことに繋げた課題を考案した。
あと、もうひとつの出発点に、同じコースの栗芝先生と常々話し合っていることがあった。「(まだ自我が確立しておらず主観から脱しきれない)学生らは、たぶん、まず"ユーザ"って意味がそもそも分からないみたいだよね」と。使う立場の人は自分とは大分違うということは、頭では知っていてもおそらく自分で自分を点検できるほどの知識にはなってないのだ。 栗芝先生は、(その演習でのユーザ役になる)実際の小学生を大学まで連れてくるという離れ業を編み出したが、そこまで出来なくても、教室内にも人間は一杯居るわけだから、ここだけでコンパクトにやる方法だってあるのではないか、と考えていたことを今回重ね合わせた。簡単なエクササイズだけど、簡単だからこそ気をつけたつもり。
エクササイズをやってシートを作成した後、スクリーンで比べて見ながら、ちょっと笑いが起きたり感心の声が起きたりまでは想定していたけど、今思えば解説が荒かったのが非常に心残りだ。これはやった後の分析と考察の方がずっと大事なんだがな・・。 ちなみに、連日の疲れでもう頭が回ってなかった。
でも、頂いたコメントによると、この方法に共感してくださった方もいらっしゃって、とても励まされた。皆様お自分で教えておられる方なので、僕の解説が甘かったということを割り引いても、僕が狙っている方向にはピンとくるものがあったのかもしれない。「ここから、こういう方向にもっていくといいかも」という 提案してくださる方が多かったのが流石にプロで唸らされるが、指導するポイントによってそういう多様な解釈があるってのは、課題のあり方としてはいいことなんだと思う。
その後、このコマでは、言葉→図への変換を試みるために、簡単な関係を表すダイアグラムを組み立てるエクササイズに繋げたが、これはちょっと欲張りすぎだったと思う。普段の授業なら もうちょっと引っ張るところだけど、先生方相手にそれもないだろうと、その次のステップに相当することまで入れてしまったのがミスだったか。そのまま図形切り抜きの課題をもうちょっと深めたほうがよかった。とりあえず、やった後にその経験を分析して深めていく第二フェーズを設定すればサイクルをもう一回ま わすことができるので、次の機会にはそのシートもつくってみることにする。
イメージは外してないと思うが、問題設定の方もまだまだ考える余地があるので、なんどか試してバージョンアップしていこう。そこまでを一つのエクササイズとして誰でも使えるような教材にすることを目指したい。
■2コマ目「ペーパープロトタイピングを応用した参加型コンテンツ」
これまで僕がやってきたような、学生から集めた情報を元にした参加型コンテンツを変化させ、ペーパープロトタイピングの技術と合体させたワークショップ。1コマ目の方はわりとすぐ決めたのだけど、こちらのネタはかなり悩んだ。その後に似た演習を2コマやるのもどうかと思うし、参加型グラフィックスは学習と してはちょっと特殊すぎる気もする。配布する事例集に過去の例を掲載するってこともあり、ポスターのような大型作品制作は止めることにした。(知り合いも 多く来るので、同じネタを使い回すのは悔しいってこともある)また、情報のデザインでは、従来のものづくりの目では捉えられないような、情報と人間のやり とり(インタラクション)を見るための動的な目を養うことが重要なので、そういったトレーニングになるようなものとしては、ポスターみたいな止まったメディアよりも、やはりペーパープロトの方なのかな、と。
当然、時間内に高度なことを終わらせることは無理なのだけど、出題者側でアウトプットを計算し尽くしたものにしたらワークショップの一番の醍醐味である 「創発」は起こらないだろう。せっかくの一期一会の場なのに、2コマとも運営側の予定調和で終わるのはできれば避けたかった。参加者同士のダイナミズムか ら生まれてくる火花のようなものを、せっかくなら見てみたいという思いがあった。そんなわけで、僕が質問し、全員に書いてもらった経験のシートを素材にしたウェブコンテンツの表現方法をグループ(4人)で考えるという出題に踏み切った。
結果としては、この課題はテーマと技法の双方を欲張ってしまい、短い時間の中では焦点がぼけてしまった感が強い。素材を活かすのならお互いに丁寧に見合う 時間を。技法を学ぶのならもうちょっと構造化しやすいテーマと詳細な指示を。それぞれ絞った設計にすべきだったと思う。実はこのコマでは、手法より先に、 コンテンツになる素材は教室の中だって気付かないけど存在していて、その辺は教員側のディレクション次第で抽出できるし面白くももできて、その切り口を考 える方法次第なのだ、ということを一番の狙いとしていた。前のコマに続き、深化不足を深く反省。やっぱり自分はあれもこれもと足して欲張っちゃうのが悪い ところだ。シンプルにいかなきゃ。
でも、そういう無茶ぶりでも、参加者のエネルギーによってなんとか場は動いていくところがワークショップの凄いところ。40分ほどの制作時間ながら、参加者は熱心に議論して手を動かしながら答えを出していた。ペーパープロトは簡単なものでも実演されると、考えたアイデアにちゃんと命が吹き込まれて生きてく るから、見てる方も面白い。なんとかギリギリでオチが付いた感じだった。
やっている最中はもう疲れ果てていてあまり考えが回ってなかったが、終わってみると、反省点ばかりが残る。次への課題とするか。長くなったので、今回参加特典に配布した事例集のことはまた別途書きます。
参加者の皆様から頂いたアンケートには励まされました。改めて御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。頂いたご意見を元にもうちょっとまともなワークショップができるように精進したいとおもいます。
最後に、今回の運営に協力してくれた卒業生のN君、4年のKさん、Y君、N君、T君、Sさん、Oさん、2年のA川さん、A野さん、お疲れ様でした。君らの協力なしには決してこのワークショップは出来ませんでした。心から感謝します。
参加者の皆様が書かれたブログ記事へのリンク。
丁寧なレポートありがとうございます。
情報デザイン研究室
総合学科情報日記
ネットで教科情報日記
Today's リフレクション 〔From 情報科担当者の1人〕
知らバス
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「学び」とは
#一難過ぎて、また一難。来週にある学会の準備が迫ってきた。うう、夏休みは何処。
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