第3回情報デザインフォーラム

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かなり出遅れたが、先週末にあった情報デザインフォーラム@千葉工大についての記録。ちゃんと残しておかなきゃね。

今回の基調講演は元Apple Inc.の増井俊之氏で、4月から慶応SFCの教授になられる直前という忙しい合間を縫ってお話しに来てくださった。90分間の講演では、柔軟なアイデアと高度な技術で積み重ねてきたクリエイティビティを拝見させて頂き、大変興味深いものだった。会場はキャンセル待ちが大勢でるほどの満員の熱気で、淡々と話される増井流のインタフェースの哲学にみんな聞き入り、紹介される独自のソフトウェアのデモに、誰もがしばし感嘆の声を上げた。(当日の内容については、フォーラムの記事リンク集をご覧ください)


増井さんの発想の秘訣として、丹念に世界中の研究をサーベイされていることもさることながら、山や海や音楽や酒やその他多くの趣味を持たれていることがあるんじゃないかと思う。集中して開発したり考えたりしながらも、適度にリラックスの機会を持ち、考えを再構築しているってことなんだろうな、と。

あと、もうひとつ、飲み会などでも多くの人に気さくに話してくださり、周囲の会話から得られるフィードバックも上手く使われていること。今回の講演でも ちょっと話に出た「苦手なことをやる」という話で思い出したが、実はこの話、数年前に氏のmixiで話題にされており、大変面白かった記憶がある。増井さ んはmixi日記を切り出して自サイトに公開されているので該当ページにリンク。

2005年1月28日 人は自分が苦手なことを研究する
2005年3月10日 研究補償説

" 大富豪家"が増井さんで、コメントで参加している"peru"が僕。増井さんレベルになれば自分で出した情報に対してさらに濃い情報が集まってきているの がよくわかるが、こういう雑談レベルでのやりとりでも気づきや修正を繰り返されていることも同時にわかる。(上で貼られているリンクはアドレス形式が今と 変わっているので切れてますが、僕のmixi日記には残ってます。ついでにこっちにも。要mixiアカウント)

思えばこの頃のmixiはいろんなところで研究ネタの萌芽になるようなやりとりが読めて面白かったな。論文や原稿はこういういろんなやりとりをベースに考えを詰めていって形式化したもので、それを査読して評価してというプロセスを経て世に出た時点では、もう最新の話ではなくなっている。増井さんもおっしゃっていたが、今はこういうライブなやりとりは最近はtwitterに移った感じがする。

増井さんの方法は、ひらめきを元にサクサクとソフトを作ってアウトプットを公開し、そして多くの人たちからフィードバックを得る中で使いやすいかどうかを検証していくという発明家に近い開発スタイルであるため、正統派なデザイナーのスタイルとは順番や具体化の手段が違って参考になりにくいけれども、僕らのような邪道の(?)情報学部では参考になることも多い。一人では増井さんになれなくても、数名の力を合わせれば可能性がないわけじゃないからだ。

そういえば、こないだ卒業していった僕の研究室の4年生達も興味を持ったようで珍しくほとんど来ていたが、特にシステムコース出身だったTくんとMさんにはいいエネルギー源になったと思う。T君は懇親会時に増井さんの近くで繰り広げられるデモの続きを食い入るように見つめ、貼り付いて離れなかったのが遠くから見ていて面白かった。またMさんは過去、ウェブで増井さんが公開している資料や論文を読みまくった経験があるので、本人が目の前にいるのが信じられなかっただろう。彼女が3年生の時に作ったAIRアプリケーションPluslistや、卒業制作でつくったTimeScaleには、増井さんのGyazoのシンプルさの影響があったりもする。(ちなみに、Pluslistは、買い物のオブザベーションから発想させたソフトウェアで、デザインの方法論でソフトを作ったってことで、そういう教育ができたのはかなり珍しい方だろうと思っている)


さて、講演を受けて。増井さんが言われるように、今後ユビキタスとウェブサービスが融合するにしても、今の多くのネットサービスのように一部のギークな人々だけで閉じていたら永久に普及もしないわけで、真に誰でも使いやすい魅力的なツールになって行くには、やっぱりそこにどういうシナリオが宿るかなのだろうな。デザイナーはシナリオを先に規定したがるが、多分それだけじゃないんだろう。人間は必要に応じて自分で使い方を編み出したり本来の機能を飛び越えたりする本能的な習性があること(by softdevice八田さん)を忘れてはならない。誰も知りえないその辺を探るには、実証実験のトライ&エラーしかなさそうだ。

アラン・ケイや増井さんのような「未来を予測する最良の方法は、それを発明してしまうことである」という豪快なクリエイティビティマインドが、沈みがちな人々の気持ちを変えていくのかもしれない。


その後、懇親会。情報デザインフォーラムでは質疑や交流を濃くやろうということで食事付きの懇親会を準備しているのだが、結構初めて来られた方や学生が話し相手見つけられずに困っているのに気がついた。話しかけやすいきっかけをつくるために、名刺ホルダーか名札が要るな。今度は準備しなければ。

続けて行った2次会の後半では増井さんを独り占めしてしまい、申し訳なかったです。せっかくの貴重な機会なのでいろんな人に席譲ったほうがよかったなぁ。しかし実はとなりのサイボウズ社の人になみなみと焼酎注がれてかなり酔ってしまい、帰りの記憶があまりない・・・。なんで地下鉄のなかでプレゼンしているシュールな写真が残っているんだろうか?

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このページは、kamihiraがMarch 31, 2009 11:45 PMに書いたブログ記事です。

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