通り過ぎられていく地図に

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P1010753.jpg
ここは大江戸線の青山一丁目駅。
一人の男性がホーム中央に設置された案内板を横目で見ながら通り過ぎている。
彼の視線の先には駅周辺の地図があるが、その地図の中には、彼の意識に全く上らないような工夫があったりする。

P1010752.jpg地図の部分を拡大してみる。
イラストレータでトレースして作られたような普通の地図だが、中央部にある現在地の赤い矢印から周辺をよく見渡せば、実は北が上になってない。これは「ヘディングアップ表記」と呼ばれているもので、地図の前に立つ人の前方を上として表記する基本テクニックである。設置されている場所の向きをあわせることで、地図で得る情報と現場での空間感覚が対応しやすい、とされる。

ここまでは普通の話。
再び地図からちょっと視点を退いて見てみると、この案内板は、ホーム中央に立ちふさがるように立っていることが分かる。


P1010754.jpg
つまり、このホームの裏側の方にも同様に案内や地図が書かれている訳だ。
そちらから見てみると一体どうなっているかというと・・・。

P1010756.jpg見事に、さっきの地図とは逆の方角で描かれているのだ。同じ場所にあるものなのだから、二つの地図は何センチも離れてないだろう。ただ、地図を見る方向によって、見せ方は文字通り180度違っている。

つまり、答えは固定されているわけじゃなく、見ている人との関係によって決まるという例。

地図を丁寧に描いたり格好良く見えるような色を選んだりすることに全精力を捧げる前に、ちょっと視点をひいてみる。そして見る人はどういう状況で見るのかを先に読んで向きを調整してみる。こういうさりげない思いやりがホントのデザインだと僕は思うんだよ・・・。

ってな話を僕は先のおじさんをつかまえて熱弁したかったが、その勇気がなかったので眠そうに講義受けている学生たちに言った。








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COMMENT(6)

アカプラ :

駅員さんがガムテープを張って作った案内の矢印には、よく助けられてます。

それにしても、レシピは自分で一回料理しないとなぁ。

kamihira :

自分でやってみることが基本です。
是非作ってみましょう。

そういやガムテープフォントの修悦体は、いまや本にまでなったそうで。

「ガムテープで文字をかこう」


no_name :

上が北の一般的な地図を使ってあらかじめ目的地や周辺情報を把握して行った場合
現地でこういうタイプの地図を見ると逆に混乱する場合があります。
用途によっては逆効果になってしまう場合もあるものですね。

kamihira :

用途、というかケースですよね。

案内板には可変性は無く固定されてますから、どうしてもマスを対象に設定する必要があります。脳内にコンパスを携えて自動的に自分の向きを変換できる人よりも、できない人のほうが多いということでしょう。

混乱するのは、事前に見た地図と、現地で見る地図を同じ視点からみているように解釈するからかもしれません。事前に見た地図は方角が基準になっていて、ヘディングアップは、そこに立っている人から見て、右に行くべきか左に行くべきかの左右感覚が基準になってます。

最初に見た地図の場所の中に、「今、すっぽりとその場に入っている」というように思うようにしてみれば、頭の中で立っている場所と対応して自然に見ている方角を回転できるような気がするのですが、どうでしょうか?

nonaka :

お久しぶりです。
駅はまだまだ改良の余地がいっぱいありそうに、思います。例えば、改札口を通る際、度々スイカの残金が足りなくて、出られなくなっている人を見かけます。朝のラッシュ時にこういったことが起こると、なかなか混乱します。自分のスイカの残金が足りないのか、前方の客が足りないのかわからなかったり、突然歩みを止められ、人とぶつかる・・・など。
満員電車でみんなくたくたなのに、もっと快適に利用できるようになって欲しいものです。

また、地図についてはちょっと思ったことなんですが、地面に描くというのはどうなんでしょうか。場所を占領しすぎますかね。また、そこまでしなくても、自分の位置を理解できますかね・・・。


こんなことを感じています。

kamihira :

以前のパスネットの時にはパンチがあいてちょっとわかったのにね。可視化させるのはRFIDだけでは難しいですから、もうしばらくかかるんでしょうねぇ。

地面に描かれた地図って観光地で時々見ますが、ちゃんと方角と対応していてなかなか面白かったです。
まあ首都圏でやるにはコストとか設置場所以前に、地図の上に人が数人立つだけで邪魔になりそうです。

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このページは、kamihiraがMay 27, 2009 10:30 PMに書いたブログ記事です。

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