TaikenMarker|No.4→5|問題発見からコンセプト立案へ
今週の2年生のCD総合演習は、調査フェーズを終え、その過程で得た事実、気づきを元に問題発見を行う回。とりあえず数を集めていれば表向きにはちゃんと進んでいるようにみえる調査フェーズとは違って、着眼点を絞って、仮説を抽出していく段階はごまかしが効かないため、一気に難易度があがる。問題をよく理解できてないと、これまで沢山集めたデータも全く生きてこない。
手始めに、初回に行ったポートレイトワークショップの経験をインフォグラフィックス化してみるという課題を共有。ちょっと時間が空いたが、各班苦労しながら余白にある繋がりを考慮して巨大な模造紙に作り直してきた。単にアウトプットを鑑賞するだけでは、「個性出ているよね」「格好いいよね」という印象だけで終わりがちであるが、目に見えるように(ビジュアルで)分解することで、
・それぞれの体験を重ね合わせて客観視できる
・仕組みや因果関係がわかる
・共有できる
・ポイントが指さしできる。
・見えなかったことに気付く(可能性がある)
ことが狙いである。
そういえば、この写真の図を作った班はなかなかいい考察をしていた。グループワークの記録から引用してみる。
みんなでヒントと睨めっこすること数十分、これに辿り着いた。
『過程はみんな同じ、今まで経験が背景にあるから一人ひとりの個性が出る。』そこで「他者」をキーワードに進めていくことにする。
他者と自分のからみをうまく時間軸に乗せていけばうまくいくのではないか?
当たり前だけど自分は決して自分だけで形成されてきたわけじゃないし、そして持ち物だってある日突然集まったわけではない。徐々に経験の中で蓄積されてきたものなはず。あのワークショップでは、それらをひとつのタイミングで一斉に切り取ったに過ぎない。
数秒で描いたサイン一つとってもそうで、親がくれた字の意味を知った日、漢字で書けるようになった日、といろんな経験が無意識化された中で、筆跡だけがさりげなく表出されている。そういう積み重ねは普段は意識されることはないけれども、意識された瞬間に新しい繋がりができて自分の中での過去はちょっとだけ組み替えられていく 。ワークショップを通してそういう記憶のダイナミズムに気付いてもらえただろうか。
ポートレイトワークショップは一応ここまでが範囲。
そして問題発見へ。

演習スライドより。ファインディングを経て抽出したヒント群(事実、気づき)から、特定の要素をピックアップすることから出発する。
模造紙で埋めつくされた教室の壁からは、まるでブースの一角のような雰囲気が出始めた。ここを出発点にして問題発見開始。
準備してない人に空からインスピレーションが降ってくる、ってことはない。アイデアは知らなかった事実や興味深い気づきのストックが熟成されて生まれるもの、と考えてみよう。
見つけた当初は何気なく書き留めたことからも、並べて見ることで新しい事実を発見できたりする。気になることをピックアップできる洞察力は、この演習のポイントでもある。
抽出した「!」を組み合わせながら議論が始まる。
さっそく生まれた仮説を試すために、音声による記録からはどういう感覚が得られるのかを自分たちで実験しているチーム。どの班もしばらく活発に議論が続いたが、とりあえず持ち越し。
次の5限には、ペルソナ/シナリオ法の解説と宿題。
込み入った手順は時間的に望めないので、企画にブレが出ないように、調査を基本にしたデータからの作成、役割・目的・ゴールの定義などの基本的なあたりを押さえて指示する。
京セラの渡辺さんからも、具体例を交えながらわかりやすく解説して頂きました。有り難うございます。
演習終盤、疲れ果てて頭を抱える学生。
問題を絞りきれなかったり浅かったりで、現時点ではどのチームも一筋縄ではいかないようだ。いい事実が見つかりさえすれば、周辺のピースはするすると集まっていい問題になっていくのだけどね。
来週は学祭で休講。ふたたび調査したり、改めて考えたりする時間はあるはずなので、学生諸君頑張っていこう。
問題を絞りきれなかったり浅かったりで、現時点ではどのチームも一筋縄ではいかないようだ。いい事実が見つかりさえすれば、周辺のピースはするすると集まっていい問題になっていくのだけどね。
来週は学祭で休講。ふたたび調査したり、改めて考えたりする時間はあるはずなので、学生諸君頑張っていこう。
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