TaikenMarker|No.5→6|インプロビゼーション,ペルソナ/シナリオ法
学祭休暇が開けて、2年生のCD総合演習が再開。祭りの後ということで、心無しかみんなちょっと緊張の糸が切れている。
この日の回は、休暇中に調査結果から得た「事実」を元に、気づきや考察といったいくつかの視点を組み合わせて自分たちが取り組む問題を決めていく段階である。どのチームも手探りで方向性を探りつつ問題を定義するためのシートをまとめてきた。
この日の回は、休暇中に調査結果から得た「事実」を元に、気づきや考察といったいくつかの視点を組み合わせて自分たちが取り組む問題を決めていく段階である。どのチームも手探りで方向性を探りつつ問題を定義するためのシートをまとめてきた。
並行してこちらも宿題だったペルソナ(初版)も作られてきた。インタビューから得たデータを組み合わせて実際にシートを作ってみると、だんだん実在するような人のリアリティが生まれてくる。まだ大事な部分は未完成だがこれから企画がまとまるなかで情報を詰めていく。参考資料や事例込みで詳細に指示したので、そこまで苦労しないはずなのだけど、順調にターゲットユーザに沿ったペルソナが出来たところと、いつのまにかキャラ設定の妄想に取り憑かれて斜め上を行ってしまったところが。作る意味をちゃんと理解していたかどうかで分かれたようだ。方向を間違えて時に引き返す必要がでても、演習のフェーズはどんどん進んでいくので学生達も必死だ。
さてこの日の4限では、発見した事実を膨らまし、多様な視点を持って考えるためのブレーンストーミングの解説。手法自体は、みんな知っていたようだし他の授業でやったこともあるようだが、ブレストを正しく理解するのはなかなか難しい。
有名すぎる4箇条の、
1. 自由奔放というのを覚えたところで、結局言葉でしかないのである。そこで、ブレストの刺激的な感覚を自分の体験として理解するために、15分ほどを割り当ててインプロビゼーションをやらせてみた。久々だ。
(奔放な発想を歓迎し、とっぴな意見でもかまわない)
2. 批判厳禁
(どんな意見が出てきても、それを批判してはいけない)
3. 質より量
(数で勝負する。量の中から質の良いものが生まれる)
4. 便乗発展
(出てきたアイデアを結合し、改善して、さらに発展させる)
(インプロビゼーションについての詳細は、
kamihira_log:インプロビゼーションワークショップ身体活動によって創造的思考を活性化させる実験をご覧ください)
一つ目の「Yes&Yeahゲーム」。突拍子もない会話を成り立たせながら繋いでいく会話のゲーム。繋がったら Yeah!とハイタッチ。
なんと効果てきめん、さきほどまで眠そうだった学生らも急に目を覚ました。
次は、全身を使ったゲームとして「サンキューゲーム」。二人のジェスチャーでひとつのシーンを成り立たせていく。シーンが繋がったらサンキュー、と感謝してメンバーチェンジする。こういうのは学年問わず学生らはノリノリでやってくれるようだ。こどもごころって大事だな・・・。
インプロをちょっとでもやってみると、ブレストとは一体何をやるためのものなのか、最初に紹介した4箇条が全く別物のようにくっきりと意味を持って見えてくる。「ああ、"批判しない"ってのはそういうことか」とストンと腑に落ちていくのが、学生らの表情からも見えた。本当に良質なアイデアが生まれるかは本人達次第だけども、グループの気軽な会話の雰囲気を作る準備運動としても機能すると思う。ちょっと時間を食ったが、代わりにみんなのテンションがかなりあがったのでよしとする。
その後、グループ毎に企画のディスカッション。だんだん取り組む問題も定まってきた。
5限には、シナリオ法の解説。ゴールダイレクテッドデザインにはペルソナとシナリオはどちらも欠かせない。シナリオはいろんな形があるが、今回はおおまかな利用文脈を描いたコンテクストシナリオと、詳細な機器とのやりとりのインタラクションシナリオのふたつだけに絞って扱うことにした。こういった手法を演習で行うためにはポイントを絞って間引かないとならないのだが、それがなかなか難しい。
ただ幸いなことにこの受講生の場合、僕がよく課題文章をシナリオ形式で作っているので、その意義については比較的容易に理解できたと思う。

アイデアスケッチとテキストを併用しながら、どういったシナリオがありうるかを考えていく。その際、横に軸足となるペルソナシートがあるのとないのでは、議論の落ち着き方がだいぶ変わってくる。
あっという間にこの日の演習も終わり。気がついたら夜の9時・・・。学生らの体力にこっちが負けた。どのチームも時間かけてミーティングを繰り返しているだけあって、企画になりそうな案が徐々に見え始めているが、それと同時に、最初の時期に行ったインタビューだけでは踏み込みが浅く、それだけを頼りに企画を深めていくことに限界があることにみんな気付いたようだ。結局、ほとんどのチームは問題を絞った上で自主的に追加インタビューや観察調査を行うことになった。
企画が行き詰まるのはいい事実を掴めてないからだ、という「くやしい様子」が目に見えてなかなか面白い。負担は大きくても、自分の頭で問題に立ち向かうということは、彼らが思っている以上に彼らを成長させるものなのだな。
来週はメンバーを交換して企画を説明し合う"シャッフルディスカッション"を行う予定。それまでに説明できる程度には文脈シナリオやスケッチをまとめなければならない。みんな頑張ろう。
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なるほどブレスト前のウォーミングアップとしてこういう方法論があるんですね。