MY ROLE 2012 が出来ました

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2年生インタラクションデザイン基礎演習で実施しているインタビューを収録した書籍「MY ROLE 2012 -川崎の「食」を支える人々-」が今年も出来上がりました。オンデマンドでの少部数出版ですが、鮮やかな表紙で目立ちそうな本です。

今年は川崎市産業振興財団との共同企画で、川崎市で飲食店・食品製造、食品に関わる機械製造などに関わるユニークな事業を展開している企業の経営者の皆様にご協力頂き、素晴らしい本になりました。記事を作成した履修生のみなさん、編集を担当した編集委員会(香津君、楠君、湯山君、中川さん、中川さん)の皆さん、エディトリアルデザインを担当した諸星さん、お疲れ様でした。インタビューの実施時期は、2012年の6月。なんだかんだで出版まで半年以上かかってしまいましたが、県立図書館に寄贈させて頂く事も出来、何十年も残せる形になったのは、いいことです。


まだ少々予備の部数がありますので、もし読まれたい方がいらっしゃいましたら、お送りさせていただきますので、ご連絡いただけましたらと思います。
(いろいろと初歩的なミスは多いですが・・・ご容赦ください)


中身の紹介。
トップバッターは、有名パティシエの吉田菊次郎さん。

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インタビューにご協力いただきました企業の皆様
?ブールミッシュ/?GOKO/?ブリマーブル--イング/正果園/?カジノヤ/?住吉/ロイヤルブルーティジャパン?/?稲穂/?和幸/?協同インターナショナル/?キサミツ技研/タイジ?/?ユニオン産業/?グリーンテクノ/?イッツコーポレーショ ン/?ヒロキ産業?/山崎金型?/?アステム/?つかさサンプル/?ココラルインターナショナル/カフェマイム/?オガサワラ/?成川米穀/溝ノ口魚類?

ありがとうございました。



前書きを転載。

序にかえて           

text = 上平崇仁


仕事柄、僕は学生達から様々な提出物を受け取る。研究室の机の上に積み上げられたレポートの山を眺めていると、そこに集積された時間を想像して頭がクラクラしつつも、複雑な気持ちになる。ほとんどの学生は、どんなに真面目に考えてレポートを書いたとしても、他人に読ませることはしない。この書類の山には、僕しか読者はいないのだ。同様に、世の中の多くの学校で行われた課題は滅多に共有されることもなく、採点という出来事だけを残して、やがて本人の記憶からも忘却されていく。

 そんなもったいないことになってしまうのは、主に学びを設計している側の問題だろう。学生達はなにかを学び、成長していく過程で、強い熱や力を放出している。意外にそれらは侮れなくて、普段接している我々教員は時折その強烈さに冷や汗をかくほどだ。そのレポートの山に類するような場面を見るたびに、その力を変換し、なにかと接続させることで新しい価値を生み出せないものか、と考えていた。

 そんな中で発想したのが、このMY ROLEインタビュープロジェクトだった。これは人々が関わりながら協同で作り上げることを通して、教育と社会の双方の場に意義をもたらすような読み物を企画・デザイン・出版するというものである。学生達は社会人の元に取材に行き、話を聞き、記事を作成する。社会人の側は、自分の語りを活字として記録することで、周辺の人々と共有できるようにする。いわゆるインタビュー集であるが、単に作ることだけではなく、実はこのプロジェクトには多様な意図が込められている。

 取材される社会人側の視点から捉えてみれば、どんな仕事をしている人でも、何年も同じ気持ちのままで仕事し続けているわけではない。誰もが職場のコミュニティの中で新人から古株へ少しずつ移行し続けており、事業のフェーズや自身の役割によって、さらにはプライベートとの関係によって、仕事を通して芽生えることや、そして大切にしていることも、少しずつ変わっていくのだ。
 日々の業務に追われていると、立ち止まってふりかえることはなかなか難しい。時折それを問い、対話を紡ぎながら自分自身について省察することは、改めて自分の姿に気付く貴重な機会でもある。見方を変えれば、このインタビュー集を学生と共につくり上げることは、一般の読者が読むコンテンツを作るということ以上に、異なる世代からの視点を通しながら、一人の人間としての存在を描き描かれ、今を生きる自分自身を物語化していくことに他ならない。

 それは大学と社会の新しい関係性を探ることでもある。学生が取材に行くだけでは、学習に協力してもらうという(よくある)関係で終わりがちである。そうではなく、学生からも社会人に向けてプレゼントを送り届けるような、お互いにとって嬉しい相互贈与関係が作れれば、より幸せなかたちで関わることができるのではないか。そして、その関係性を誰でも取り組めるような仕組みに落として発信していくことで、おおげさに社会変革を唱えなくても、埋もれている小さな価値を改めて見直していけるような、ささやかなきっかけになるのではないか。この試みの背景には、そんな願いがある。

 今回収録したインタビューに登場するのは、川崎市近郊で食に関わるビジネスを展開されている24人の方々である。それぞれのユニークな業務のご紹介とそこで担われている自身の役割を通して、興味深い視点を語って頂いた。そして、取材し、記事を作成したのは、2012年度の専修大学ネットワーク情報学部インタラクションデザイン基礎演習の2年生約100名の学生たちである。各チームから集められた記事を、履修生有志による5人の編集委員会が一冊の本として構成した。多くの人々の尽力によって、昨年度に引き続き、今年もプロジェクトの成果をまとめることができた。特に登場された方々と我々を仲介して頂き、編集にもご協力頂いた川崎市産業振興財団の皆様には深く感謝したい。

「食」は、一言でまとめられるのが不思議なほど、その周辺には非常に幅広い切り口が存在する。素材としての食品の生産から、料理して提供すること、そして料理をサポートする機械制作、食べる側の人間の健康、そしてその周辺にあるコミュニティまで、実にさまざまなプロセスがあり、結果として二十四本の記事からはそれらを幅広く網羅する川崎という街の多様性と面白さが浮かび上がることになった。本書はどこから読んで頂いても楽しめると自負している。

 自身の経験とそれを通した思いが凝縮された記事は、どれも思わず背筋が伸びるほどの真摯さに溢れており、すばらしく魅力的だ。そしてそれは一冊の本として構成されることで、単独で読んだ場合と異なる、新しい行間を持ち始める。それぞれの方の語りが並べられたなかから見えてくるものは何か。読者の皆様も、しばし、対話に耳を傾けながら一緒にその意味を考えてみていただきたい。


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はじめまして、龍谷大学社会学部の笠井賢紀と申します。学生たちにインタビュー成果のありかたの一つとしてぜひ見せたく、私自身もまちづくりの現場で手法として参考にさせていただきたいのでわけていただけないでしょうか。

送り先は 520-2194 大津市瀬田大江町横谷1-5龍谷大学 笠井賢紀研究室 です。支払等についてはメールでご指示いただければ幸いです。また、バックナンバーがありましたら、合わせてお送りいただければ幸甚です。

ご検討よろしくお願いします。

kamihira :

コメント、ありがとうございます。
稚拙なものですが、のちほどお送りさせて頂きます。

お忙しい中、早速お送りいただきありがとうございます。

内容はまた学生とゆっくり拝見しますが、装丁も美しく、今から楽しみです。ぜひ参考にさせていただきます。

2013年最新の更新のエルメスの包み、財布。
信用第一、良い品質、低価格は

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このページは、kamihiraがFebruary 25, 2013 7:15 PMに書いたブログ記事です。

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