Education: August 2007アーカイブ
sss2007発表より。初日の一番人気「コンピュータを使わない情報教育/アンプラグドコンピュータサイエンス」。ニュージーランド発で10年前頃に始められた小学生向け情報科学教育のための教材。先月、日本語版が出版されたらしい。
写真はその中の一つ、「時間内に仕事を終えろ(並び替えネットワーク)」の実演模様。床のパターンにそってステップを進めながら数字を持つ人が並び順を変え、整列されていく。(Night Sessionでの1ショット) ふーむ、なるほど。確かに実体験をもつことで(見えなくなっている)処理過程がイメージできる。12テーマある学習内容はどれもなかなか面白い。佐藤雅彦がかつてSFCでこのようなワークショップをやっているというのを聞いたことがあるが、似たようなコンセプトのものがグローバルに行われているんだな。
原著者たちは普段、コンピュータアルゴリズムの専門家として数式に囲まれながら研究を進めているはずですが、この本では10年以上前に、ティム・ベル博士が当時小学生だったお嬢さんに教えたときの体験を元に書かれているため、とても楽しく、わかりやすい内容になっています。数日前のGDPと違って、一言もデザインなんて言葉使ってない(使う必要もない)けれども、こっちのほうになんだか"計らい"の深みを感じるよ僕は。
その後、この教具を使った学習法は多くの学校で改良を重ね、各国で公開されてきました。このたび、日本でもこの効果的な学習法を出版することができ、とても光栄に感じています。国内で行った実験授業では、小学生でも理解できるというだけでなく、特に中学校と高校の技術や情報の授業で大きな効果があることがわかりました。『コンピュータを使わない情報教育 アンプラグドコンピュータサイエンス』
Computer Science Unplugged 公式サイト
三重県の鈴鹿山麓にて合宿形式で行われている、情報教育シンポジウム(sss2007)に参加中。周辺は別荘や温泉旅館がたち並び、どうみても・・・避暑地だが、会場は熱気ある。
今年から科研費の共同プロジェクトで、高校の教科「情報」の履修内容に関わっていることもあって、情報収集と次年度以降の発表を射程に入れて下見が目的なのだが、この研究会の発表はそれぞれ現場の実践が多くて興味深い。
今年から科研費の共同プロジェクトで、高校の教科「情報」の履修内容に関わっていることもあって、情報収集と次年度以降の発表を射程に入れて下見が目的なのだが、この研究会の発表はそれぞれ現場の実践が多くて興味深い。
スパイラルで開催された「いまからだ - IAMAS in Tokyo 」展に行く。IAMASは活動内容は面白くても、関東の人間にとっては遠い存在だ。なのでさっそく外出ついでに立ち寄ってきた。あいかわらずここの学校は宣伝物も展示パネルデザインもきっちりまとめられている。
青学の鈴木先生が書かれた興味深い文章を見つけたのでメモ。
ブログがゼミの議論の質を飛躍的に高めたという話。
ブログを書いて読み返すこと自体がリフレクションになることを考えると、確かに"外化"することは極めて重要なことだと思う。以前、楠見先生も同様のことを仰っていたので、認知科学者はだいたいそういう見解を持っているようだ。それにしても、そんな変わるって本当か?と疑念が湧き、自分で確認してみようと探して見たが、その該当ブログは公式ページからは見つけられず。記事はひとつ発見3年生のゼミに導入したときには、多くの学生が課題となった論文や、自分の抱えているテーマについて活発に記事を投稿し合い、そのレベルはあっという間に大学院レベルのものとなってしまったのである。
ブログの何が彼らを高めたのだろうか。最も重要なのは「外化」である。自らの考えやアイデアを、発話、メモ、文章、ジェスチャーなどの方法で外に出してみることを、認知科学では外化と呼んでいる。ブログによる外化は、言語というメディアを通すこと、他者を想定することなどが含まれ、これらが学習の向上に役立つことは多くの人の指摘するとおりである。
3年生のゼミを院生レベルに高めたブログの「外化」効果
ちなみに、うちの山下先生も授業支援ブログを2004年から開発していて、鈴木先生と一緒に勉強会されたりしているのだけど、3年間そのシステムの運用の様子見ていて、そこまでの"劇的"な変化はないけどなぁ。言語能力の差か?(笑)ブログ導入自体が理由じゃなく、(メンバー間の刺激とか、新しいメディアの刺激とか、はてには先生の指導とか)いろいろ他の要因も大きいはず。
ただ、いつも痛感するのが、最初はノルマを課されていやいや書くにしても、時間が経てば少しづつその意味やら面白さは分かってくるものらしい、ということ。学習にはそれぞれに合った時間が必要だ。最初は不満言いながら書いていた学生らが、学年上がるにつれて、自主的に自分たちのプロジェクトの活動記録やメンバー間のやりとりを公開するようになる例は沢山みてきた。
そういうのをみていると、最初から必要性がわかることばかりではなくて、ガタガタ言わず書けときっかけをつくることは、ある部分では大事なんだなと思う。バイキングのように食べる前に主体的に選ぶようなこと続けていたら、そういう面白さには出会うことは無い。
"ブログが学びを促進させる"ということについては、似たことを何かで読んだな、と思い出したのが、fladdict深津氏が書いていた文章。のちに「ウェブ進化論」(梅田望夫)にも引用されたエントリだ。
実際ブログを書くという行為は、恐ろしい勢いで本人を成長させる。それはこの1年半の過程で身をもって実感した。<中略>ブログを通じて自分が学習した最大のことは、「自分がお金に変換できない情報やアイデアは、溜め込むよりも無料放出することで(無形の)大きな利益を得られる」ということに尽きると思う。
知的生産性のツールとしてのブログ
fladdict氏も仕事始めてからブログへの優先順位落ちたようだし、鈴木先生も最近書いてないし、質を維持し続けるのは大変なんだろうな。学生のゼミやプロジェクトのブログは、期間限定なところが区切りつけやすい。
