Interfaceの最近のブログ記事

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IA Basic learning kitとは
Webにおける情報設計(インフォメーションアーキテクチャ)についての基礎的な考え方を学ぶことを目的とした教材です。ワークショップ形式でみんなで考えながら進めていくことができます。もともと僕が担当しているネットワーク情報学部の2年生向けの演習用教材として開発したものですが、広く一般の人や他大学の学生さん達にも利用してもらえるように新しくまとめ直しました。

内容に関しては、坂本貴史さん(ネットイヤーグループ株式会社 UXデザイナー / IA Thinking 著者)に専門的視点で監修して戴きましたので、数少ないIA系の初学者向け教材として使えるレベルになっていると思います。


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旭山動物園でみた"森の人",オランウータン.
高いところにはられたロープをひょいひょいと得意そうにわたる姿は愛らしかったが,今彼らは絶滅の危機に瀕しているという.その理由は,彼らの故郷であるボルネオ島の原生林は伐採されまくっており,代わりにアブラヤシの農園をどんどんつくっているから.そして森林を失って迷い込んでくるオランウータンたちは,農園に関わる人たちにとって害獣となっている.アブラヤシを植えているのは『ちきゅうにやさしい』天然素材のヤシ油をつくるためなのに.皮肉なことだ.

そんなわけで,多くの日本人が恩恵を受けているボルネオの森林に対して還元するために,旭山動物園では,「ボルネオへの恩返しプロジェクト」なるものをやっているそうだ.
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2月の下旬のある日,北海道の旭山動物園に行ってきた.旭山動物園は年間300万人以上の訪問者があるという人気の動物園で,大変面白い展示の仕方で知られている.ブームになってかなり経つし,「ようやく今頃」なのではあるが,実際に足を運んでみて,確かにわざわざ北海道の外からも訪れるだけの価値のある場所だということがよくわかった.

これはもはや従来の動物園というカテゴリでは収まらないのでないか.有名な"あざらし館"や"ぺんぎん館"などのユニークな展示施設だけではない.園内の隅々まで温かい工夫が凝らされ,動物たちと人間の関係,そして生命が循環する生態系についての真摯なメッセージが訴えられており,僕もいっぺんにファンになってしまった.

中編では,旭山動物園の様子を紹介してみる.



柔道に「空気投げ」という秘技があるそうだ.よくマンガや小説の題材にもなったりするのでご存じの方も多いと思うが,その技を使える人はほとんどいないらしく,実際に見ることは難しい.でも,この技を編み出した伝説の柔術家,三船久三十段の映像資料が残っており,YouTubeにアップされているので,誰でも(映像で)見ることが出来る.

この空気投げの映像,素人目で見ても何がすごいのかはよく理解できないが,軽々と舞う三船十段と組んでいる相手はいとも簡単にポンと投げられているのがわかる.よく見ると相手の柔道衣を掴んだ手以外は相手に触れていない.足も腰も使わないのに相手はつんのめったようにくずされている.こんな風に,まるで空気に投げられたような不思議な決まり方をすることから,この技の名がある,という.

三船十段の言葉によると,この技の原理は「相手が動に転じた瞬間、重心を下げて相手を投げる」とのことで.攻撃を瞬間的に感じ取り、その力を転化させ自分で転ぶように導く,という高度な判断で成されているようだ. 

もともと,柔道自体が相手の力を利用して相手を制し,小さな者でも大きな者を倒すことができる"柔よく剛を制す"という基本理念を持つ武道であるが,この技はその考え方が名人技まで高められた美しさを持っているように思われる.

さて,ここで唐突に柔道のことを取り上げたのは,格闘技に限らず,デザインにおいても,この相手の力を最大限に利用する,ということの大事さをここのところずっと考えているからである.

デザインという営為は,そもそも問題対象と使う人の"関係"によって成り立つものだろう.多くの場合,利用される現場での様々な制約が発想の源になるように,それ単体で何かの最適解が存在するわけではない. 逆に言えば,デザイナーがどんなに思い込みで力をいれようが,実際の場における関係を掴んでいないと空回りするばかりである.

力任せにふんばるばかりでは相手は投げられないし,そんなことを繰り返しても疲れて動きもとまってしまう.自分と相手の関係(横軸),連続しつつ切り替わるフェーズとの関係(縦軸)などの力をそれぞれバラバラのものとして考えず.適切に力を借りるタイミング,力を入れるタイミングを読むことを心掛けたいものだ.

ところで,ある人が指摘するところによると,先の映像の三船十段は,組んでいる最中にふわりと飛びながらも絶妙に下向きの力を相手にかけているのだという...恐るべし.

人間の体というのは、外から力が働いてきたときには、関連する骨の周囲にある筋肉を緊張させることで骨を補強するという自己防衛システムが備わっている。 この場合も、下向きの力をかけられることで、胴体周囲や、両足の骨の周囲の筋肉が、意識しないうちに緊張する。この骨を固めるという緊張を強いられた結果 として、「空気投げ」に対応するための微妙な動きが充分できず、ぎこちない動きになって倒されてしまうというのだ。(「武道の達人」保江邦夫)
「不安定な姿勢に導かれた相手は、支えをはずされたとたん、つんのめって倒れてしまう」という「空気投げ」の基本に加えて、足運びを乱すための準備として、三船十段はこんな「隠し技」を使っていたんだ!
空気投げ(その2)-Fight Club

結果(技がきまる瞬間)だけではなく,こういう前後関係も技に含まれるわけで,それを考えれば身体システムの関わり合いの複雑さを思い知る.

大事なことは動きのシステムの中にある.全部デザインに置き換えるつもりはないが,問題の仕組みをよく理解した上でそれを絶妙につかった方略を知るとき,なんだかそれは他の問題に対しても示唆に富むように思えるのである.

そしてこの動画をみながら,そんなことを考えていたところ,かの「旭山動物園」も同様な位置づけにあるんじゃないかと思いあたった.

スターとなる動物はいなくても,面白い見せ方の工夫で驚異的な人気を得た動物園だ.有名になって随分経つけど.恥ずかしながら実際に行ったことはなかったので,いい機会とばかりに行ってみることにした.
(つづく)




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12月21日は、今年最後の演習。これまで進めてきた企画のプレ発表として、アクティングアウトによる評価を行った。発表は背景やコンセプトなどの言葉の説明を省いて行うので、その中で必然性を持たせるためには、話の流れの中にきっかけ/欲求/ゴールといった利用文脈と、そこから設計した画面との詳細な対話が描かれてなければならない。そしてそれらがトータルなユーザ経験として成り立っていることが求められる。

 アクティングアウトという手法の詳細は浅野先生がまとめて下さってます。
 情報デザイン研究室:アクティングアウト考その1その2,その3,その4

学生達は演じることに対してはそんなに抵抗がないようで、この手法では拙くも一生懸命な演技を楽しみながら評価することができるのがいい。
しかし考えてみれば、これを行うためには、登場人物(ペルソナ)の設定を行い、一つのサービスがあるという"仮定"を取り巻く出来事を描くわけである。しかも手短に。想像力と説得力の両立という点ではSF映画のプロットにも近い高度なストーリーテリングとも言える。

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12月14日の演習。3年生のプロジェクト発表会も終わり、いよいよ冬も深まってきた。この日は、前週に課したガントチャートの確認から開始。
ガントチャートは、プロジェクト管理で使われる、作業計画を横型の棒グラフで示した工程管理図のこと。通常、縦軸に作業内容(タスク、アクティビティ)を、横軸に期間を取り、各作業/資源の所要期間を視覚的に示す。

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サボっててすみません。師走に入って忙殺されている間に記憶が飛びつつあるが(汗)、演習プロセスの連載第9回目。12月7日の2年生の演習は、ペーパプロトタイピングによる画面UI検討。

先週の時点ではなかなか修正案の議論がまとまらず、なかなか制作に移れないチームも多かった。しかし本当はむしろそういう時にこそ手を動かし、作りながら考える必要がある。作らないからこそ議論は空中化しがちなのだ。ペーパープロトタイピングはそんな状況を打開し、発想を生みやすくする方法でもある。

先週、「来週までにはver.1を必ず作って持ってくること」と課題にした結果、この日には全チームきっちりと作ってきた。
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11月30日の2年生の演習は、中間プレゼンを終えて企画を修正し、制作フェーズに入る回。そろそろゴールを意識し始める時期だ。
扉の写真は特に意味はないのだけど、今後の作戦を練る学生の真剣な顔が格好良かったものでおもわずパチリ。勝手に載せたけど、O君許してください。

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ちょっと遅くなったが、演習ログを再開してみる。半期通して進行プロセスの記録を残すのはなかなか大変だ。

11月23日(月)は、祝日ながら振り替えで授業日。この日、2年生の演習はコンセプト立案フェーズのまとめとして中間プレゼンを行った。この一週間は学生たちも発表に向けて必死で準備してきたようで、アドバイザーとしてお迎えしたゲストの方々を前にいつもよりも緊張した雰囲気と熱気が漂う。
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先週に続き、コンセプト立案フェーズ。自分たちのコンセプトを決めるために、この一週間はハードな議論を重ねたようだ。なんと7日間毎日グループワークを続けるチームまで。本気出したせいか、全チームがきっちりとたたき台となるシートをまとめて来た。翌週のプレゼンを控えて、この日の授業はコンセプトを対話によって磨いていくためのシャッフルディスカッションの回である。

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